これからはシステムとルールに売買を委ねるTOP

私たちが頼るべき投資手法とは

　株式投資は、これまで述べてきた通り、思いつきでやってはいけません。誰かが良いといったからといって、その銘柄に即飛びついたら、十中八九が失敗投資になるでしょう。ましてや「私は強運の持ち主だから、私が『買い』と言ったら買いである」そんな霊感師のようなことをして、資産家になったという話も聞いたことがありません。売買の判断を天に任せて資産家になれるのは、小説や映画の中の世界だけです。現実の投資はきちんとルールに基づいて売買を行う必要があります。まずは「私はルールに従って売買をするんだ」という強い意志を持つことが大切でしょう。



　ところで、今の時代、どのようなルールが適しているのでしょうか。これまで、私たち日本の投資家が臨む相場、すなわち東京市場は、右肩上がりの株価推移を描いていないということがよくわかりました。また、7974任天堂のチャートで分析したように、業績がよくても必ず株価が上昇するわけではないということも確認しました。そして、株価の動きを察知するのは業績推移ではなく、GCVのようなテクニカル指標ということも確認しました。



　これだけの情報が揃いましたが、ここで2011年相場に臨む私たちは、何を頼りに投資をしていけば良いのでしょうか。それは、ズバリ、チャート分析ですね。 業績の先行きも、景気動向も、為替や気候変動も、投資家に畏怖や楽観を生じさせ、株価に影響を与えているとしても、その結果であるはずの株価がどの指標より早く変動するからです。株価がどのように変動していても、その市場の国が成長期にあろうが、成熟期であろうがかまいません。それぞれの株価の動きに、指標をフィットさせて売買の判断をすればいいのです。



　しかも、株価情報は誰にも分け隔てなく流布されます。イコールコンディション（つまり誰にでも公平な条件）でチャンスが与えられる株価を分析するなら、すでにこれから発表されることになる重大ニュースを知っているインサイダーの大量商いさえ捕らえる可能性も少なくありません。テクニカル分析こそが、権力や内部情報から遠い存在である私たちの唯一の武器なのです。



(2011/2/4更新)