一般的に機関投資家は、中長期的な業績を考慮した上で、銘柄を分析します。しかし、それは一人で、ある銘柄の業績を中長期的に分析して判断するわけではありません。アナリストが企業の経営層にヒアリングしたデータを参考にしたり、組織が分析した広範なデータを用いて、シナリオを組み立てます。機関投資家は、組織で投資の是非を検証しているのです。
しかし、個人投資家は一人で戦うことしかできません。熱心な投資家は、株主総会に顔を出したり、企業の広報を直接訪問してリサーチもしますが、企業のトップにインタビューするほどのレベルまでは、相当な資産家にならないと到達できません。私たち個人投資家は、身の丈に合った投資戦略を選ぶことになります。テクニカル分析は、株価情報というプロにも個人投資家にも公平に流布される情報を使うがゆえに、個人投資家でもハンディキャップなしに戦える、優れた分析手法なのです。
 |
 |
 |
株価が上がりそうだというなら、すかさず「買い」を入れます。そして「売り」というサインが点灯したら、即座に買いを手仕舞い、そして同時に売りの注文を入れます。これを淡々と繰り返して利益を積み上げていきます。経済の動向がどのようなトレンドを形成しているか、まったく気にするものではありません。もちろん、新興国の活発な様子、それらといかに上手に付き合っていくか、わが国の企業や行政がどのような対策をとるのか、気になることはたくさんあります。それらの動きを、冷静に把握しておくことを軽んじるものではありません。
 |
|
 |
しかし、目先の売買にはまったくといって良いほど関連性がないので、売買シグナルのリーディングと売買の意思決定との関係には影響を与えないはずです。ニュースはしっかり見ますが、その弱気なエッセンスにも、強気のニュアンスにも、投資の判断は惑わされないようにしなくてはなりません。
(2011/2/10更新)