2010年のあなたの投資成績はいかがでしたでしょうか。負けなしでしたでしょうか？それとも、勝ち負けが五分五分というところでしたでしょうか。売ってないから損はしていないといっても、評価損を大きく抱えた銘柄があって「売るに売れない」というのでは困ったものですね。
投資での勝率は高ければ高いほど、私たち投資家の「やる気」がでるものです。しかし、「損して売らない」と決まれば、勝率は100％を謳（うた）えますが、一方で塩漬けが大量では意味がありません。１銘柄の利益を確定し、10銘柄塩漬けだったら、堂々と「リターンを得ました！」とは言えません。
投資を行う時に、まず、投資方針を決めませんか。例えば、「短期投資でコツコツ取る」とか「中長期投資でじっくりリターンを得る」など。しかし、こんなことはありませんか？順調に右肩上がりを続けているチャートをテクニカルで分析してみると、サインは「売り」と示している。「でもこれは一時的に押し目を形成しているだけかもしれない。この売りサインは見送ろう」などと考えてしまう。この時、サインに従わずに「見送る」ことで、取れるはずのリターンを取りそこなっています。最悪の場合、そのまま株価が下がり、一度見てしまった高値まで戻らない。こうなると、損した気分になってしまって、売るに売れず、結局株価はズルズルと下げ、塩漬けへの道をまっしぐらということになるかもしれません。サインに従っていれば、こんなことにならなかったはずです。
 |
 |
 |
このケースは、私たち人間が「余計なこと」を考えてしまったために、リターンを取り損ねたというものです。ほとんどの銘柄が右肩上がりのチャートをしていた時代の、長期保有優位の視点で考えてしまう癖――これは今では「余計なことを考える」「例外的な処理を行う」という、投資がうまくいかない一つのわけでもあります。
私たち人間は、「ＡまたはＢ」という二者択一の選択ではなく、「A」か「A’」などと高度な処理を行うことができます。またこれが得意な動物でもあります。しかし、高度に処理を行いすぎてしまうことで、投資がうまくいかないというケースもありました。投資を行う時には、一度決めたルールにしっかり従うことなのです。それを貫いた先に、いろいろなものが見えてきます。
(2011/1/28更新)