高値掴みをする構図とは？

株価の動きを考えてみましょう。一方的に上昇し続ける株価はありませんね。上昇した株価は、いずれ下降をはじめます。私たち投資家としては、上昇し続ける銘柄があるなら、そんなに嬉しいことはありません。しかしそんな私たちの望みは夢のまた夢であり、株価は「上がったら下がる」のです。今は、受け止めなければならない現実です。高度経済成長の時代に株高が継続した相場は、すでに、歴史の一コマとなっています。

さて、みなさんは、良いニュースが出た銘柄に注目して「よし、今こそ買いだ！」と、その銘柄を買い、高値掴みをしてしまった経験はないでしょうか。良いニュースが出ると、皆が同じ気持ちになり買い手の行動がその一瞬に集中します。それが高値を作ってしまうのです。そして、買い手が全員株券を手に入れて、さらなる買い手がやってこなくなった途端に、株価は急落します。これが高値掴みの構図です。まさに話題に即座に反応したことによる買い手の悲劇です。

しかし、このような話しは聞いたことがないでしょう。「トレンドラインで分析したところ、トレンドが転換したので買ったら、みんなが同じように行動して株価が上昇した……」。テクニカル分析を行っている人全員が寄ってたかって１つの行動に走ることはありません。１つのニュースに多くの人が反応し、一律の行動を起こすケースと違って、テクニカル分析は様々な指標が用いられ、売買の判断も様々なスタイルで構えますから、みんなの行動は分散されます。そこがテクニカル分析の大きな違いといえるのではないでしょうか。

企業ニュースは、誰にでも良し悪しを捉えやすい報道です。「新製品が発売された」「好業績だった」というのは、誰の目にも「企業にとって良いニュース」と映ります。よって、たくさんの人が反応するのです。つまり、投資家の多くが反応しやすい情報に同じようにご自身も反応すると高値掴みとなってしまうのです。投資には「人と違うことを行うからこそ利益が得られる」という格言があります。つまり、人がやらないようなことをやるからこそ、利益が得られるのです。この考え方に基づけば、多くの人が反応する「ニュース」よりは、あなた独自のテクニカル分析に反応した方が、このような高値掴みからも免れることができるのではないでしょうか。

(2012/1/13更新)

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高値掴みをする構図とは？