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最高値・最安値を言い当てるのが売買サインではない

テクニカル分析では、チャート上に日々新たに書き加えられる株価の推移を表示して、そこから売買タイミングを読み取ります。そのため、過去のチャートで分析すると「なんだ！必ずしも最高値と最安値を捉えていないではないか！」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それはあまりにも要求するレベルが高くはないでしょうか。もちろん、私たち投資家の心理としては、より最高値に近いところ、最安値に近いところをズバリと言い当てて欲しいものです。

しかし、どうでしょうか。株価が高値を付けたというのは、後になってわかることです。「みなさん、今が最高値ですよ！」とリアルタイムに私たちにはわかりません。それがわかるのは、預言者くらいのものではないでしょうか。もちろん「高値更新中」などということはわかりますが、明日も更新するかもしれません。逆に、明日から下げ続けるかもしれません。それは、翌日になってみないとわからないことです。ですから「今まさに最高値を付けました！これから株価は下がり続けます。」というのはわからないのです。

「なんだ、テクニカル分析は役に立たないではないか！」と感じられるかもしれませんね。では、あなたの売買タイミングをチャートに描いてみたらどうでしょうか？「どうして私はこんなところで売買しているのだろう？」と感じませんか。目先の株価を見ている時は、気持ちが高まり「今売買しないと損する！」「今、損切りしないと損する！」などと、その時々の気分に左右されます。しかし、時間が経過し、後に冷静になって株価の動きと比較してみると「どうして私はこんなところで売買しているのだろう？」と反省するものです。

テクニカル分析を用いる場合は、「コツコツとリターンを得る」という気持ちで考えていくといいでしょう。小さい利益を積み重ねていくという考え方です。もちろん時には損切りもあります。しかし、これもまたズバリとサインが示してくれます。だらだらと塩漬けになるようなこともありません。システムが「手仕舞い」と言うのですから、もしそれが損としても、冷静な気持ちで損切りできるのではないでしょうか。そして新たなポジションを取り、次にリターンを狙いに行くのです。「買い持ち」「売り持ち」を交互に行うドテン売買を用いていくのも一法でしょう。

テクニカル分析で投資する時には、そのルールに基づいて売買を繰り返していきます。株価の未来が読めない「神ならぬ」私たちは、株価分析で発生させる売買サインの反復に従って売買して利益を確定します。株価を見ているようで、株価ではなくサインを見ているので、目先の株価のブレに心を動かされることがないのです。テクニカル分析を用いるなら、そのルール及び考え方に沿って投資してみてください。得るものがかならずやあるはずです。

(2012/1/20更新)

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