日本株、バブル崩壊後最安値を更新──。

最近のアジア市場はアメリカの影響を受けて混迷の度を増しているが、投資家の意欲をそぐような魅力のない政策の日本市場に比べ、東アジアの市場は日々成長を続ける銘柄に満ちている。 とはいえ、値動きの激しい分リスクも大きいアジア株に投資するのは今ひとつ不安…。

そこでGC社編集部員シモヤマが、アジア株市場を体験レポート! 果たして投資ビギナーにアジア株は乗りこなせるのか?
◆登場人物◆
ササキ師匠
アイザワ証券アジア担当アナリスト。アジアの博覧強記ともいうべき人物。
シモヤマ編集部員
少しは株のことが解りかけてきた投資ビギナーの編集部員。アジア株4銘柄に投資。
タカヤナギ編集部員
CG誌で「ボロ株ファンドのオススメ」を連載中。
ユヤマ社長
ラジオたんぱでもお馴染みゴールデンチャート社社長。大胆な企画で編集部員を躍らせている。
指南役
本誌で「ボロ株ファンドのオススメ」を指南中。
実はGC○○○社長
ヒロキ
シモヤマの甥っ子。何を考えてるのかわからない高校3年生
トモヒロ
中国で働くシモヤマ編集部員の従兄弟。服飾デザイナー。

−menu−
香港・台湾・韓国市場を探れ!
取引開始?オンライントレード入門編
アジア大競争時代編
北京オリンピック誘致編
頑張れ高校生編
韓国IT事情編
北京オリンピック編その2
航空産業編
中国WTO加盟編
2002年中国株再入門編
香港・台湾・韓国市場を探れ!
[一 まずは口座開設
[二 源泉分離課税ってなに?
[三 アジア市場を探れ!『香港編』 『韓国編』 『台湾編』]

【取引開始?オンライントレード入門編】
[一 オンライントレードって?
[二 アジア企業の情報を入手せよ!
[三 指し値いくらだ? 買い注文だ!
[四 アジア株は本当に買いか?

【アジア大競争時代編】
[一 急成長する中国企業
[二 中国の成長で恩恵を受ける日本株
[三 大競争時代の予兆

【北京オリンピック誘致編】
[一 オリンピックによる経済効果
[二 北京オリンピックの可能性

【頑張れ高校生編】
[一 教えてアジア

【韓国IT事情編】
[一 巷の韓国ブーム
[ニ 前向きな韓国企業
[三 DSL競争
[四 先進の韓国IT企業

【北京オリンピック編 その2】
[一 ユニバーシアード北京大会
[ニ オリンピックに向けた北京の動き
[三 建設ラッシュ
[四 韓国の場合

【航空産業編】
[一 桂林よいとこ一度はおいで♪
[ニ 中国航空業界
[三 食は文化なり
[四 三通

【中国WTO加盟編】
[一 WTOとは?
[ニ WTO加盟で、「中華竜騰」
[三 モータリゼーション到来?
[四 中国自動車産業界
[五 ハイウェイ・ネットワーク
[六 日本の不良債権問題
[七 大成火災倒産!]
[八 百個の棺おけ!?

【2002年中国株再入門編】
[一 中国株投資再チェック!


「アジア株をやってみませんか?」

 ─花粉症の人々が鼻をすすり始めたある日、ユヤマ社長のこの一言が始まりだった。
「へ?アジア株ですか」

 ─特集を組むなら意外と面白いかもしれない。日本市場は元気ないけど、韓国の現代自動車とか最近TVでもCMやったりしてネタになるような企業も結構あるしな…。それに最近はインターネットで外国株取引もできるっていうし…。
「いいですね。どんなコンセプトで特集組みますか?」
「体験リポートなんてどうですか?誰か一人アジア株に投資してその面白さを紹介するんですよ。そうだ!シモヤマくんやってみなさい。」
「え?!」

 ─アジア株体験リポート=アジア株に投資。それも自腹で。このGC社に入ってまだ2ヶ月あまり、株のことなど何も知らずに毎日四苦八苦しながら編集しているこの僕が、いきなり外国株投資?!。ビギナーもビギナー、超ビギナー。どうすりゃいいんだー?

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「近くのアイザワ証券でアジア株扱ってますから、口座作って始めてみて下さい。」
「でも我が家には株に投資するほど余裕無いですよ…。今用意できるのは、せいぜい5万から10万ぐらいですかねぇ。」

 ─だってウチのカミさんも株の知識は全くない。それ以上出してくれるはずがない。この企画、誰か他に振るしかないなぁ…。
「それだけあれば十分ですよ。日本に比べてまだまだ物価が安いですから、優良株でも驚くほど安く買えますよ。1万円以内で買えるところもたくさんあるはずです。」

 ─え?!そんなに安く?!でも株式投資なんて、ましてやアジア株、右も左もわからんぞ。う〜ん不安だ…。
「はあ、でも自分の資金なら、やっぱり日本のミニ株にでも投資しといた方が、素人には無難なんですが…」
「そんなに不安だったらアジア株のプロを紹介しますから、取材がてら勉強して下さい。日本株やるときの参考にもなりますよ。それに儲かったら全部君のもんです。中長期のスタンスなら、未来のソニーかマイクロソフトに化けるかもしれませんよ。」

 ─ソニー!マイクロソフト!そんなに有望なのか?うーん、外堀は埋められてるようだし、この企画やってみるしかないか。
「判りました。じゃあとりあえず口座開設の申請書類貰ってきます。」

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 ─さて、アイザワ証券ではインターネット取引ができる「ブルートレード」がある。アジア株取引をやる場合、手数料も一律2,000円だし、これに現地証券会社の売買手数料(0.1425〜0.25%)と0.5%の為替手数料が加わる。口座管理料や月会費とかは無料だ。インターネットで取引履歴や口座残高も確認できる。これならビギナーの俺でもやれそうだなぁ。よし!申し込みだ。

「住所OK、届出印OK、ん?課税方法の選択証明書?源泉分離課税と申告分離課税?どっちを選べばいいんだ? 社長ー!」
「これは源泉分離課税を選ぶ方が面倒がないのでビギナー向きです。申告分離課税は、1年間に発生した株式等の譲渡益(儲け)に対して26%の税金を支払うもので、自分で確定申告をしなければいけません。源泉分離課税っていうのは、株を売った代金の1.05%がその都度自動的に引かれる課税方式です。ただ、儲けが無くても売ったら必ず引かれますよ。」
「わかりました。ん?約定代金?これいくら振り込んでおけばいいんですか?」
「…買うもの決めなきゃいくらかわかんないでしょ。」
(ホントにビギナーだな…)

 ─というわけで、口座開設の申込み書を投函し、パスワードの通知を待つことに。約10日ほどで送られてくるそうだ。先行き不安ながらもじっとしてはいられない。早速アイザワ証券へ取材だ。

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 ─数少ないアジア株取り扱い証券会社の中で、アイザワ証券アジア担当アナリストのササキさんは長い間東アジア一円を観てきたスペシャリストだ。今回は取材という名目だが、僕の将来を変えて(?)くれるかもしれない「投資顧問=師匠」なのだ。有望株のネタを押さえねば!

「初めまして。GC社のシモヤマです。宜しくお願いいたします。」
「お待ちしておりました。今回はアジア株の取材ということで、私の方もお話ししたいことが山ほどございます。それとシモヤマさんがアジア株投資を始められると伺いましたが…。」
「はい。全くのど素人ですがササキ師匠に手ほどき願えればと考えております。宜しくお願いいたします。」
「師匠だなんてやめて下さい。ま、それはおいといて早速お話しさせていただきましょう。

 ひとくちにアジア株と申しましても、私共が扱っておりますのは主に東アジア諸国、韓国・台湾・香港の3市場です。お奨めしたい銘柄も深押しのIT関連を始め、日本に無い様な面白い銘柄が沢山ありますから、順番に取り上げて参ります。

 初めに香港市場からご説明いたしましょう。流通市場は香港証券取引所(SEHK)と店頭市場(GEM)があります。香港証券取引所には東京証券取引所のように第1部と第2部の区別は無く、2001年2月末現在739社が上場され、時価総額は4兆8,212億4百万香港ドル(約72兆3,200億円)です。平均株価収益率(PER)は12.33倍と、日本と比べて(日経平均3月16日現在の予想PER 33.81倍)割安です。また、店頭市場は99年11月にスタートしましたが、2001年2月末現在60社が登録され、時価総額は672億1百万香港ドル(約1兆80億円)です。香港市場はアジアでは日本に次ぎ第2位の時価総額を有していますが、一層の競争力向上を目指し、香港証券取引所(SEHK)、香港先物取引所(HKFE)及びクリアリング・ハウス(HKSCC)を統合し、日本より一足早く民営化し香港交易所(HKEx)として2000年6月27日に株式を上場しました。

 また、21世紀の巨大な成長マーケットを有する中国関連企業も多く上場されております。H株とレッド・チップの2種類があり、中国関連の主要銘柄をカバーしています。」
「H株? レッド・チップ?、株に種類があるんですか。」
「株式の性格がすぐ分かるように分類しているのです。香港市場のH株は中国の国有企業が直接上場しており、一方レッド・チップは中国企業が香港の会社を買収した、いわゆる裏口上場です。また上海と深センには、中国国内投資家専用のA株と、外国人投資家向けであった(本年2月28日より中国国内投資家にも開放)B株があり、上海B株は米ドルで、深センB株は香港ドルで取引されています。どちらも額面は1人民元で株主の権利も同じです。

 上海B株、深センB株は、当初2月26日に国内投資家への開放予定でしたが、中国人投資家が殺到したため(中国には5,000万人の個人投資家がいます)、28日にずれ込んでしまったのです。この様な状況ですから、中国関連株への投資は中国人投資家が殺到し株価収益率が割高になっている上海B株(3月1日現在のPER24.8倍)および深センB株(同14.3倍)よりも、割安な香港H株市場(同9.8倍)の方に妙味があると思われます。また、香港H株の中には、上海・深センのA株市場に上場している会社もあります。こちらは、同じ会社なのに香港H株の方が、株価が4分の1とか5分の1の銘柄があり、大いに注目されています。ここに注目される香港H株およびレッド・チップをリスト・アップしましたのでご覧下さい。」
「お!チンタオビールがありますね。時々飲んでるんでなんだか身近に感じますねぇ。」
「青島ビールは100年の歴史を有する中国トップの名門ビール会社ですが、元気良くM&A戦略を推進し、急成長してます。青島ビールは世界40カ国で人気を集めていますが、コクのあるビールを作るのは意外に難しいのです。独自のM&A戦略により、地方のビール工場でうまく行ってない会社を安値で買収し、伝統あるビール作りのノウハウをつぎ込み、味のある売れるビール工場に変身させるのです。そして、シェア・アップと利益成長の一石二鳥を実現している成長会社なんです。 昨年のマーケット・シェアはあの広い中国で8.3%に達し、何と前年の2.8倍となっていますが、今年は10%の大台に載ると思われます。今後10年でビール生産量も4.5倍に急増が見込まれています。百年の歴史を持ち、元気の良い青島ビールを楽しんで、その会社の将来性も一緒に楽しむのも良いと思いますよ。」
「株と一緒にビールも20ケースぐらい買っちゃいましょうかね。」
「ちなみに青島ビールは一株2香港ドル(2月16日現在約30円)で一単位当たり2,000株なので、約6万円で買えますよ。」
「え?飲んでる場合じゃない!今すぐ買いだー!」

 ─手持ちの予算は僅か10万円だ。酒も飲めて株が上がるのも楽しめるなんて、俺にはもってこいではないか。早く帰って買い注文を出さねば! 



青島ビール(コード0168・香港H株)
Tsingtao Brew チンタオビール
中国で最古参のビール会社で、売上げ、利益及び輸出額とも中国でトップ。斬新なM&A戦略により、中国各地の赤字工場を安値で買収し伝統ある青島ビールの経営ノウハウで立て直し、儲かる工場に変身させ、同時にシェア拡大を実現。 この結果、中国国内でのマーケット・シェアは1999年の3%から2000年には8.3%に急拡大している。 中国本土にA株を上場しているが、香港H株は本土A株に対して5分の1の株価(2月19日現在)。
中国海運業開発(コード1138・香港H株)
China Ship Dev チャイナシッピング
中国最大手で老舗の海運会社。 子会社の中国海運コンテナー・ライン社を通じてコンテナー市場でも高いシェアを有しており、中国のWTO加盟による対外貿易の拡大に、より大きなメリットを受けるものと期待される。 昨年の海上運賃引き上げ認可により収益も回復基調にあり、3月1日現在予想株価収益率(2001年度ベース)は8.7倍と10倍以下の水準。
中国光大(コード0165・香港レッドチップ)
China Eb Ltd チャイナ・エバーブライト
香港をベースに金融の先端ノウハウを取得しており、WTO加盟で今後急拡大が期待される中国の金融市場で、先駆的な地位にある金融・情報コングロマリットの中核企業。 子会社の中国光大銀行及び光大證券を通じて金融ビジネスを推進しているが、両社とも近い将来公開予定で上場利益も期待される。 中国で情報通信ビジネスを行う子会社の中国光大科技(コード0256)も香港に上場。今後の成長戦略実現に向けて、49億HKドル(約735億円)に上る現金及び携帯電話トップのチャイナ・モバイル株式を有しており、中国金融市場での成長が期待される。レッド・チップ銘柄だが、3月1日現在、予想株価収益率(2001年度ベース)は11倍、株価純資産倍率は1倍割れの0.87倍と低水準である為、付け加えた。

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「シモヤマさん。まだ香港市場の説明だけですよ。これから韓国と台湾の市場をご説明させていただこうと思ってたんですが…。」
「そ、そうでした。それに今帰ったところで何にもできないんでした。」
「そうですね。私の推薦銘柄に期待していただけるのは結構な事ですが、まず各国の経済情勢は勿論、市場の特質や値動きのクセ、それから主要な銘柄の成長性等に付いて把握された方が良いですよ。」
「わかりました。勉強します。投資は自己責任が原則ですからね。」
「そうです。私どものホームページにはアジア主要国の経済及び主要企業の最新ニュース及びマーケット・コメントを毎日載せています。また注目銘柄の投資レポートも毎週提供していますので、是非ご覧下さい。」

 ─株式市場は刻一刻と変化している。買う前には自分でしっかりと情報収集しなければ、痛い目にあうのは自分自身なのだ。まず取材だ。
「それでは韓国市場をご説明しましょう。1956年開設の韓国証券取引所(KSE)はアジアで第4位の時価総額(2000年10月現在20兆7千億円)を有する主要市場ですが、日本と同様第1部と第2部に分かれ、706社が上場されています。また日本のJASDAQに相当するKOSDAQ市場は591社が登録され時価総額は3兆9千7百億円です。東証マザーズに類似した第3市場は2000年4月に開設されましたが、121社が登録され時価総額は1兆4千2百億円です。

 インターネット先進国の韓国ではオンライン取引の成長は目覚しく、2001年2月現在80%を超え日本に先行しています。

 一方、個人投資家の売買比率も同じく2月現在で90%を超えており大変値動きの激しいマーケットなんですが、それには有効な投資戦略があります。30年前の日本もそうだったのですが、韓国市場では優良株も思惑株も一緒になって激しく上下します。ですから、投資戦略としては悲観人気で大きく売り込まれた後、底値確認から戻り歩調に転じたタイミングでの投資が秘訣です。

 それでは、長期投資の観点から注目される韓国の銘柄に付いて触れてみたいと思います。日本もそうなんですが、韓国の場合、特に国家戦略に沿った産業及び銘柄は大きく成長します。その重要な手掛かりとして、最近韓国政府から発表された「21世紀新産業の発展戦略」がありますが、IT、バイオ等、国を挙げて重点産業を育成する方針を打出しており、新世紀に長期的な高成長を期待できる銘柄の選別に大いに参考になります。

 昔から国家戦略に沿った会社、いわゆる「国策銘柄」は大きな投資成果が出ていますが、特に韓国の様に政府主導の経済システムの国においては有効な投資戦略と思われます。

 21世紀発展戦略で筆頭部門の情報技術(IT)関連(※図1)では、情報端末等に大量使用される半導体及び液晶分野で世界トップクラスの三星電子が最右翼です。三星電子の昨年度の純利益は、ソニー・松下・日立・NEC・富士通など日本を代表するハイテク7社の全合計純利益を上回り、2001年度はDRAM価格下落を見込んで20%近い減益と慎重な予想ですが、株価は既に昨年7月のピーク時(394,000ウオン)から10月には121,000ウオンと約3分の1に下落した後、戻り基調にあります。また今期予想ベースで6倍前後のPERは日本のハイテク会社のPERと比べても割安で、長期投資の観点からはジックリ仕込むチャンスですよ。」
「うーん、非常にいい感じですね。でも私の予算ではちょっと手が届きません。他にありませんかね?」
「ありますよ。21世紀戦略の情報技術と新素材の2大部門に関連した小型成長株ですが、1万円でオツリがくる銘柄です。小型株といっても、電解コンデンサー分野では韓国でトップシェアを有しており(41%)、世界シェアも10%以上持っている専門メーカーで、三瑩電子(現地証券コード05680、3月6日終値8,610ウオン、一単位10株当り買い付け代金 約8千円)といいます。デジタルTVやIMT-2000に使用される通信機器向けに電解コンデンサーは主要部品ですが、その新素材としてアルミ電解箔の自社開発に成功し量産設備に着工しています。株価は1999年夏の22,400ウオンから昨年は7,400ウオンと3分の1まで下がり、現在戻り歩調にあります。 予想PERも6.5倍と昨年前半のPERレンジ(10.8倍-5.7倍)の下方にあります。」
「おー、私向きの株ですねぇ。韓国株は三瑩電子をチェーック!」

(図1) ■21世紀新産業の発展戦略
部門 重点開発 内容
情報技術(IT) Post PC
デジタル機器
電子商取引
・情報家電の複合化傾向に対応、次世代有望製品の早期事業化推進
・IMT-2000、デジタル放送等の核心機資材の国産化推進
生産産業(BT) 遺伝子組替
培養細胞生命工学
・バイオベンチャーセンター等事業化基盤造成
・生命工学研究院と民間研究所に外資系企業誘到センターを設置。海外先端企業誘到
新素材 新金属
極細繊維
高分子素材
・新金属、高分子素材等事業化技術の本格開発
・極細(Nano)繊維基礎技術の早期開発
新エネルギー環境 太陽光
燃料電池
クリーン・エネルギー
・核心技術早期実用化で代替エネルギー普及促進
・環境親和型技術開発で生産性2倍に増大
・汚染物質排出量半分に
出所:大韓民国政府 産業資源部




■21世紀発展戦略:情報技術(IT)関連
三星電子(現地証券コード05930)
Samsung Electronics サムソン・デンシ
(3月6日終値190,000ウオン、1単位10株当り買い付け代金 約17万9千円)

デジタル機器等に使用される半導体及び液晶分野で世界トップ・クラスの三星電子はコア銘柄として外せない。SRAM(世界シェア18%)、DRAM(世界シェア21%)、大型TFT液晶(世界シェア19%)等の分野で世界トップ・シェアを有し、世界で初めてCDMA携帯電話を製作し同分野でも世界トップ・シェア(29%)を持つ。 またこれも世界で初めて次世代最先端DRAM技術の「4ギガDRAM半導体製品技術」を開発し、試作品生産に成功。
韓国電気通信(現地証券コード30200)
Korea telecom ハングック・デンキツウシンコウシャ
(3月6日終値64,500ウオン、1単位10株当り買い付け代金 約6万1千円)

韓国のNTT。IMT-2000事業の推進では、主導的役割を果たすとされている。超高速インターネット分野でトップ。来年6月に100%完全民営化を目指しているが、マイクロソフト、AT&T等の世界トップ・クラスのハイテク会社が投資を熱望しており、世界的な評価の高さが窺がわれる。相変わらず、お役所が過半数の株を握り、同じ民営化でもチビチビと売っているだけの何処かの国の電話会社とはダイナミズムが少し違う様だ。
■21世紀発展戦略:バイオ・テクノロジー関連
大熊製薬(現地証券コード03090)
Daewoong Pharmaceutical デウン・セイヤク
(3月6日終値11,100ウオン、1単位10株当り買い付け代金 約1万4百円)

昨年の高値(19,200ウオン)から6,900まで3分の1近く下落しその後戻り歩調にあるが、現在1万円で買える小型成長株として注目される。90年代初頭からバイオ医薬品の開発に取り組んでおり、ミサイル抗癌剤、胃潰瘍予防ワクチン等の最先端のバイオ新薬を開発中。免疫疾患に有効とされる上皮細胞成長因子(EGF)の市販許可を獲得の見込みで、EGFはドイツで実施中の臨床結果が出れば、技術輸出も可能となる。

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「それではササキ師匠、次はハイテク・アイランド台湾市場を教えていただきたいんですが…。」
「台湾は歴史的に見ましても、中国大陸から侵攻した国民党がその軍事力により、政治・経済等の全権を掌握し、台湾生まれで土着の「本省人」と呼ばれる人々は金も権力も何も無く頼れるのは自分だけと云う極限状況から這い上がってきた、つまり全くの徒手空拳から必死の努力で世界に誇れるハイテク企業を築き上げたのです。つまり、成り立ちからして、ベンチャー企業の集合体であり、世界3大情報製品生産国となった台湾はハイテク・アイランドと呼ぶに相応しいと思います。それと1999年9月に台湾でもM7.6と、阪神淡路大震災(7.2)を上回る「九・二一集集大地震」がありました。これは9月21日未明にあったのですが、地震が起きてわずか1時間後には国防部から軍隊が出動し救出活動に出ていますし、夜が明けてその日の午前中には、当時のトップ・リーダーである李登輝総統がヘリコプターで首都・台北から急遽飛んで来られて、直ちに非常事態を宣言されてテキパキと救援活動をされた。やはり、国というのは、ただ現在カネがあるとか人口が多いとかいうだけでなくて、色々な危機の時に如何に迅速に対応出来るかで本当の国力が分かるのではないかと思います。」
「そういえば何年か前にアジア経済危機なんて事がありましたけど、台湾はどうだったんですか?」
「ご存じのように、台湾は1971年の中国による国連加盟で世界のほとんどの国から断交されて、世界の孤児になったわけですね。もう皆オシマイだと思った。しかし数多くの苦難を驚異的な自己努力で乗り越え、30年近く経った現在は世界のハイテク・アイランドとして見事に復活しているわけです。つまり経済危機が起っても誰も助けてくれない。そんなギリギリの状況で金融機関も自己責任を徹底し、例えばグローバルな銀行の基準であるBISの自己資本比率要件を日本より9年も早く1989年には制度化しています。台湾には企業も銀行も「持ち合い」なんて無く、自助努力に徹して、アジア危機を乗り切ったのです。」
「なるほど。しかしハイテク中心だとアメリカの景気に左右される所が大きいんじゃないですか?」
「現在はそうですが、実は急激に変わりつつあります。台湾の目と鼻の先には中国があります。中国は色々な家電製品、例えば、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機等で世界トップの生産シェアを持ってますが、まだまだハイテク製品では駄目なわけです。ですから「台湾でR&D、中国で生産」、即ち台湾のハイテク会社が開発したハイテク製品を、中国の安い労働力を大量に使って生産するとコスト的にも鬼に金棒になるわけです。経済原理からしても台湾のハイテク企業が中国で現地生産、今後は中国でも販売という大きなトレンドが現れてきています。」
「でも中国と台湾は、いつドンパチ始めてもおかしくないんじゃないですか?」
「中国の最高指導者、江沢民主席のご子息と、台湾最大手の企業グループ、台湾プラスティックの御曹子ウィンストン・ウォンさん、このお二人が合弁で上海に半導体の12インチ・ウェハーを生産する会社、名前も洒落ているのですが、上海グレイス・セミコンダクターという会社を作るのです。21世紀に向け、大変象徴的な中台間の動きが既に出て来ているわけです。実際、中国向けの投資は大変高い伸びを見せております。中国人というのは面子を大切にするタイプですが、台湾政府の通商、通航、通信を禁止するという三通政策も、例えば「小三通」という形式で実質解禁していく方向ですし、また経済特区を作ろうという動きもあります。そういう風にお互い面子を保ちながら実利を取るというスタイル。今、お話した両国政界及び経済界トップ・クラスのご子息同士による合弁会社の様に、大きな「うねり」が底流で流れ始めていると思いますね。

 さて、株式市場には台湾証券取引所(TSE)と店頭市場(OTC)があります。台湾証券取引所は2001年2月末現在528社が上場され、時価総額は34兆9千億円です。店頭市場は同じく312社が登録され、時価総額は5兆1千億円です。アジアでは、日本と香港に次ぎ第3位の時価総額を有しています。個人の売買代金回転率の高さは世界一で、個人の売買比率も1998年の97.8%からは減りましたが、1999年でも88.2%と高く、個人投資家主導の値動きの激しい元気な市場です。また、中国大陸の情勢に市場が影響されるのも特徴です。

 ICビジネスでも日本の先を行くICファウンドリーという新業態が高成長しています。台湾のハイテク・ビジネス経営者は大半が米国に留学し、勿論英語はペラペラで、シリコン・バレーにドンドン進出しています。シリコン・バレーには、ソフト開発やシステム設計だけをやって、複雑な生産は外部発注するファブレス企業が多くありますが、それを可能にしているのが、専門英語で注文OKの台湾ICファウンドリー会社です。高度な情報通信システムに使用する精密機器や部品を厳しい要求通りに生産し、高い評価を得ています。」
「なんか伸びそうですね。うーん、しかし私の予算を既に超えています。ハイテク以外でなにか?」
「オールド・エコノミー株ですが、低位で面白い会社があります。WTOへの中国との同時加盟が実現しますと、中台間の交流が一層進みます。つまり、台湾から色々な部品を持って行ったり、完成品を中国から輸出したり、輸送が活発化します。そうなると大量に安く運べる海運会社が儲かるわけですね。日本も昔は海運国だったのですが、現在世界最大のコンテナ輸送会社、実は台湾の会社なんですね。エバーグリーン・マリーン(現地銘柄コード2603)、中国名で長栄海運といいます。良いチャートをしています。2000年3月高値の31.48台湾ドルから10月には16台湾ドルまで半値近く下落し、現在は戻り基調にあり21台湾ドルです。7万4千円位で投資出来ます。」
「海運会社ですか。僕の夢を運んできてくれるわけですね。台湾株は長栄海運をチェーック!長々とありがとうございました。また来ます。」

 ─次はネットトレードだ。は〜や〜くぅ こ〜いこ〜いパスワード♪ 



「世界の半導体業界をアッと言わせた台湾の威盛電子」
威盛電子(現地証券コード2388)
Via Technology ヴィア・テクノロジー
(1999年12月の165台湾ドルから2000年9月には466台湾ドルまで2.8倍上昇した後、200ドルまで下落し現在300台湾ドル弱。1単位1000株当り買い付け代金 約102万円)

インテルのMPU設計部門にいた陳氏が、90年代半ばに台湾に戻って創業したハイテク・ベンチャー企業。最近、世界で3番目のCPU製造会社を買収。コンピュータのチップ・セット(頭脳部分)分野ではインテルを抜いて世界トップ・クラスのハイテク会社。
■ICファウンドリー・ビジネス関連
台湾積体電路(現地証券コード2330)
Taiwan Semiconductor/TSMC
タイワン・セミコンダクター・マニュファクチャリング
(1999年3月の43.19台湾ドルから2000年2月に173.44台湾ドルまで上昇し、その後半値。現在90ドル割れの水準。1単位1000株当り買い付け代金 約30万円強)

世界トップ、シェア33%を誇る。
ユナイテッド・マイクロ・エレクトロニクス(現地証券コード2303)
United Microelectronics Corporation/UMC
(2000年2月の106.67台湾ドルから12月の42.3台湾ドルまで一気に下がり、その後回復し現在53台湾ドル強。1単位1000株当り買い付け代金 約18万円)

世界第2位、シェア27%。

アメリカのハイテク・ファブレス企業が注文を出して、その通りに生産できるという日本にない、最新ICビジネス。上記2社とも、過去3年間のROEが何と平均で19%、純利益の年平均伸び率13%という、最近の日本のハイテク企業からするとビックリするような高い収益力を維持。米国ハイテク株安にツレ安し大きく下げた後、底打ちパターンから戻り基調。

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週刊チャ―トガイド 3.24日号 3.31日号 4.7日号 掲載