私たち投資家は、幾度となく壁にぶつかります。「買ったのに株価が一度も買い値を上回らない」、「塩漬けとなってしまった」、「いつも損切りばかりしている」、「株価は買い値を上回ったものの、いつ下がるのか怖くて、すぐに売ってしまい、なかなか大きな利益に結び付かない」など。「この方法を取れば100％の勝率でリターンが得られる」という夢の方法がないものかとも考えます。しかし、それも見つからないと、相場の世界から足を洗うことを考えだします。
「この方法を取れば100％の確率でリターンが得られる」という手法はないのでしょうか。投資で財を成した偉大な投資家を、私たちは少なからず知っています。しかし、彼らの投資の奇跡も、100％確実な投資手法を手に入れたからではなかったのです。負け知らずの投資手法を使ったのではなく、負けることにくじけない継続力と、その持続力をサポートする常なる改良、改善の努力があったからだと知るべきでしょう。
株式投資にはファンダメンタルズ分析とテクニカル分析があります。今や５年、10年先の企業業績を予測することは非常に困難です。会社の経営者自身でも明確な答えを持ってはいないでしょう。更に、世界情勢が市場にも影響を与えますから、会社の業績だけで株価は決まりません。企業運営の当事者である経営トップでさえ予測できない未来を、的確に予測するスキルが問われます。簡単ではありませんが、誰もが予想しなかった偉業を成し遂げる経営者がいるように、その偉大さを見抜くファンダメンタルズ分析は、今も健在です。
しかし、それだけに頼り投資していくのはやはり危険です。投資家の予測がいかにシャープで優れたものであっても、今の現実の中で不可能の烙印を押されれば、しばらくは浮上することさえ不可能でしょう。一方、テクニカル分析はどうなのでしょうか。確かに、テクニカル分析はどの銘柄にでもピッタリ合うというわけではありません。しかしながら、使い方次第でより精度の高いものとなるのは事実です。
さて、どうしてテクニカル分析には、このような特徴が出てしまうのでしょうか。
(2011/11/4更新)