2011年4月に入りました。震災の余波があるものの、私たち日本人は前を向いて歩いていかなければなりません。復興に向けて前進しようという気持ちで迎えた４月です。これまでの新年度より、気持ちが引き締まるものです。
さて、４月に入ると、システム投資の年に２回チェックしなければならない決まりごとを実行しなければなりません。10月にも行いましたね。周期のチェックです。今回チェックすると、伊藤忠商事は、20週、平均6週と大きく変わりました。そして、丸紅は、25週平均10週と変わりません。丸紅は周期が変わりませんから、サイン点灯の時期は変更しません。今回は伊藤忠商事のみチェックする必要があります。調べてみるとどちらの周期でも2月25日に売りサインが点灯したということになっています。つまり売り持ちです。ですから、安心して売り持ちのまま保有していればいいのです。周期が変わったからといって、2月25日の売りを実行しようと、新たに売りポジションを立てる必要はありませんから、ご注意ください。
ところで、４月の伊藤忠商事と丸紅の株価は、どのようになっているのでしょうか。どちらも似た動きをしています。上旬から中旬にかけて少しずつ下がっています。どちらも4月19日に底をつけてまた株価が上昇していますね。その間、サインは点灯しません。「そのまま売りポジションで保有していなさい」とサインが言っているのです。守りましょう。そしてゴールデンウィークを迎えます。どちらの銘柄にもサインは点灯しません。
５月に入りました。どちらの銘柄もともに、少しずつ株価が下がってきました。売りポジションで保有しているのですから、株価が下がるのは嬉しいことですね。買いポジションだったら「下がって嬉しい！」などという経験はできません。これが、ドテン売買投資のメリットといえるでしょう。今回のように日本の有事の時には、売りポジションで保有することができるわけなのです。リスクがあるからということで、信用売りを敬遠されていた方でも、このような手法を見ると、信用売りに対する考え方も変わってくることでしょう。
さて、５月はどちらの銘柄にもサインが点灯しませんでした。６月に突入しました。私たちの生活は、放射線と節電がテーマになってきています。１年前と比べると生活する上で考えることがガラリと変わりましたね。システム投資を行っていれば、売買に関する判断に時間を費やす必要がありませんから、「これからどのように生活していくか」ということをじっくりと考える時間ができます。時間を有効に使えるということはいいことですね。株価は、伊藤忠商事、丸紅ともに下がっています。このような時に「順調に下がっている」などと言うのは不謹慎と言われるかもしれません。しかし、最適化売買サインに従って投資をする者にとって、買いも売りも等しく資金を運用するポジションなのです。
6月24日に伊藤忠商事に買いサインが点灯しました。丸紅は点灯しません。では、伊藤忠商事だけ売買しましょう。売りポジションを手仕舞い、新たに買いポジションを立てます。27日の寄り付きは822円でした。ですから、14円、つまり1,400円の利益になります。そして同時に、買いポジションで保有します。
伊藤忠商事の売買を行ったあたりから、伊藤忠商事、丸紅ともにどんどん株価が上昇しています。順調な右肩上がりになりました。伊藤忠商事は買いで保有し、丸紅を売りで保有していると、複雑な心境になります。せめて「早く丸紅に買いサインが出て！」と祈るばかりですね。しかし、ここであせってはいけません。サイン点灯を待ちましょう。
そして、ようやく7月29日に丸紅にもサインが点灯しました。買いサインです。売りポジションを手仕舞い、新たに買いポジションを取ります。8月1日の寄り付きに588円で手じまいました。40円、すなわち40,000円の利益です。丸紅もしっかりとリターンを得ることができましたね。
これで検証は終了です。次回は、これまでの売買を総括してみましょう。
※このコーナーでご紹介する売買結果は、手数料や税金は含まれていません。
(2011/9/30更新)