「システム投資を取り入れよう」と思う人は、「大きくリターンを得ることよりも、安定してリターンを得ることを優先したい」と考えておられるはずです。そうです。システム投資の基本は、「コツコツと安定的にリターンを得られる売買を継続的に繰り返すこと」だからです。システム投資の真髄は、様々な市場での出来事に、感情的に左右される人間の投資家である「自分」から独立して、システムが淡々と正しい売買を続けてくれることなのです。扱う銘柄が急上昇・急下降を繰り返していては、リスクが大きくなってしまいます。大儲けと大損がテンデンに押し寄せては、安定性の確保ができません。リスクの高い投資を避けて、ローリスクなアプローチで臨んでいきたいのです。そうなれば、銘柄選びは「安定的に日経225銘柄から選択」となるでしょう。もちろん、これはオーソドックスな考え方として、当然の選択肢です。では、今回から７回に渡り、200万円の資金があったと仮定して、ポートフォリオを組んでシステム投資の実際を検証していきましょう。
時は、2010年4月9日にさかのぼります。「安定的な銘柄がいいな」と考え、「安定的な銘柄というなら商社かな？商社といっても、いろいろあるけれど、ま、200万円の予算だしな。今回、ドテン売買を用いるから、仕込みと手仕舞いを同時に取れるように２倍の資金を準備しておくことにしよう。でも、買い下がりを行う時のように潤沢に現金を保有しておく必要もないし、損切りもきちんと行ってくれるから、現金比率は３割以上にしよう」という条件を設定したとします。つまり最低単位で売買するとして、70万円で１回仕込めるという計画です。
そこで、有名な商社の中から、直近の株価をチェックしながらいろいろと考えました。投資資金の戦略にもピッタリ合うからということで、8001伊藤忠商事と8002丸紅を選びました。2010年4月9日時点の株価は、伊藤忠商事847円、丸紅587円で銘柄を選びました。伊藤忠商事の最低売買単位は100株ですから847円×100株＝84,700円となります。丸紅の最低売買単位は1000株で、587円×1000株＝587,000円となります。合計すると、84,700＋587,000＝671,700円で、70万円以内でおさまっていますね。
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では、2010年4月11日から、2011年8月5日まで伊藤忠商事と丸紅の２銘柄でシステム投資したとして、次回はその状況を解説しましょう。
(2011/8/26更新)