投資には高度な分析力と経験が必要――。これは、これまで私たち投資家が当たり前と思ってきたことです。しかし、これがそうでなければ……。つまり、もしも「スキルがなくても、投資できます」となれば、こんなうれしいことはありません。
もちろん、業績を分析して銘柄を選ぶこと、これはとても大切です。この厳しい相場で大きなリターンを得ようとしたら、じっくりと分析して銘柄を選んでいく必要がある。常識的な知性を持つ人なら、誰でもそう思うはずです。しかし、それが必ずしも投資の成績をアップさせてはくれないのです。業績の予想は、その変化率が大きければ大きいほど、多くの人たちがすでに投資をしています。そんな投資対象に、あなたは遅れて走ることになるのです。業績の変化発表を受けてあなたが買いのアクションを起こしたとします。
そして、あなたと一緒に買いを入れる人が何人かいたとしても、皆さんのあとに続く買い手はもういないのです。買い手がいなければ、株価は下がり始めます。あなたの買いが「高値づかみ」になる必然的な仕込みが、業績発表を根拠に行動することのうちに潜んでいます。
実は、スキルレス投資は古くからありました。バブル時代のチャートをご覧ください。日経平均株価は、1989年12月に最高値をつけました。それまでのチャートは見事に右肩上がりに推移していました。主要銘柄もご覧のとおりです。この頃のスキルレス投資とは、「とにかく一流企業の株買って持っていればいい」というものだったのです。今こう言うと、皮肉に聞こえるかもしれません。「右も左もわからない人でも、株を買ってしばらく保有していたら、何倍にも膨らみました」という時代です。預金と同じような感覚で、預金以上に儲かったのです。株式投資がブームにならないはずはありませんでした。それは、「安いところで買い、高いところで売却する」などという売買のタイミングや、株価と業績の関係を捉えるリサーチなど、一切必要としない安直なブーム現象だったのです。
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では、今の時代のスキルレス投資とはどういうものなのでしょうか？答えはシステム投資です。思惑や推測、恐怖や期待を排除し、コンピューターの確率的売買サインを用いて売買するのです。従って、株価チャートも株価ボードもチェックしません。テクニカル指標の最適化売買サインが示す「B（買い）サイン」、「S（売り）サイン」だけに従って売買するだけです。こんな単純な手法で、きちんとパフォーマンスを得ることができます。
コンピューターシステムが発達した今の時代だからこそ、こういうスキルレス投資が可能となるのですね。
(2011/8/5更新)