前回、システム投資で用いるGCV(ゴールデンチャートベクトル)の分析手法は、指標のクロスで売買のタイミングを把握するというお話をしました。では、どのようにタイミングを捉えるか、もっと具体的に説明したいと思います。
それでは、実際のチャートを見て分析してみましょう。8001伊藤忠商事の日足チャートをご覧ください。わかりやすいように2010年８月から2011年１月までのチャートを見てみましょう。８月末にゴールデンクロスとなっています。つまり、買いサインです。その後９月から10月にかけてダマシの期間があります。そして、10月中旬にデッドクロス、すなわち売りサインが点灯していますね。さらに11月に入り、ゴールデンクロス、買いサインとなっています。この月は、もう１度売りサインが点灯していますね。そして12月に入りゴールデンクロスとなっています。しかし、12月は中旬になるとデッドクロスとなりました。そして、大納会のあたりでゴールデンクロスとなり、新年の上昇トレンドに上手に乗ることができました。１月中旬に、株価が上昇しきったところでタイミングよくデッドクロス、売りサインが点灯しました。とても上手に売買タイミングを捉えているということができるのではないでしょうか。
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例えば、伊藤忠商事の場合、現物買いのみならず信用売りも行うことができる銘柄です。ですから、ドテン売買を行うことも可能です。ドテン売買では、買いポジションを売りサインで手仕舞う際に、同時に売りポジションを持ちます。更に次の買いサインが点灯した時に、売りポジションを手仕舞い、同時に現物を買う――ドテン売買とはこのような手法を指しています。つまり、常に買いまたは売りポジションを保有し続けることになります。こうすることで、上げている時には買いで取り、下げている時には売りで取ることが可能になります。タイミングを逃さずに売買することができるというわけです。システムトレードに適した売買手法といえるでしょう。
(2011/3/11更新)