テクニカル分析の基本として、株価とは何かということを知っておく必要があるでしょう。株価は、企業の株券が市場で取引される時に用いられる値段のことです。まず、市場が開いて最初に売買された値段を始値といいます。その後の高値、安値、終値は、相場が閉じた段階で決定されます。これが後日書き変えられることはありません。当コーナーでも以前少しふれましたが、情報が不利になりがちな個人投資家にも、株価は機関投資家と同じタイミングで同じ情報が与えられるのです。
ところで、株価というものは、どのような要素で決まっているのでしょうか。企業が経営破綻してしまえば、株価は限りなくゼロになってしまいます。逆に、上場時にヤフーを最低単位買って現在まで所有したら、数億円の資産に増えていることになります。株価チャートは日々の株価の履歴であると同時に、企業の経営状態の記録簿でもあるのです。企業の成長が続くことで、株価が右肩上がりの上昇を続けるなら、その企業の株を保有した投資家にも資産が分配されることになるのです。
しかし、業績がよければ必ず株価が上昇するとは限らないケースも少なくありません。任天堂のように、ライバルのソニーとの戦いを圧勝することで、株価が見事に右肩上がりの上昇を続けたのに、業績予想が強気を堅持しているにもかかわらず、株価が下げ初めてピークを形成してしまったケースもあります。企業の経営状態が株価を決定するとは言いえ、企業業績の予想の通りに株価が形成されるものではないことを、わたしたちは肝に銘ずる必要があります。
企業の経営状態を映す鏡が株価だとして、株価を見て経営状態は予想できても、その逆は機能しないのです。株価の未来は、株価そのものの推移から導く方が精度があるのです。テクニカル分析が投資の有力な指針として評価されるのは、こうした現実からの当然の帰結でした。
株価チャートに定規を当てて線を引き、株価が上昇をキープしているか否かを判定するトレンド分析。そのトレンドラインを乗り越えたり割り込んだりする瞬間を、トレンドの変化点と認識して売買のきっかけにする分析手法も、長年の投資家の苦悩との格闘の結果生まれた最初のモメンタム分析と考えられます。ゴールデンチャートが集計する売買シグナルも、そうした、投資家の長年にわたる相場との戦いをベースに練り上げられたノウハウです。このシグナルにしたがって行動することで、あなたの投資成績が相当にレベルアップできるわけには、こうした背景があります。
(2011/2/25更新)
